Claude に LLM ログを聞く:API キー不要の OAuth MCP 接続
LLM ゲートウェイを Claude のカスタムコネクタとして追加し、サインイン後にリクエストログへの読み取りアクセスを許可します。そのうえで Claude のチャットから質問し、3 つの質問に対して行われた合計 14 回のツール呼び出しを検証しました。
推奨モデル
リアルタイム価格| モデル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 14回のツール呼び出しで、リクエストログに関する3つの質問に回答した。すべてのコスト、トークン数、リクエスト数、ステータスが請求記録と一致し、最もコストが高いセッションについての説明も一致していた。 | チャット内のモデル | $10/100万〜 |
目次
「今朝、最もコストがかかったセッションはどれで、その理由は?」。コンソールで記録をたどれば答えは見つかります。同じ記録を読める Claude にチャットで聞くこともできます。この記事では、Synthorai ゲートウェイを MCP(モデルにツールを提供するプロトコル)経由で Claude のコネクタに追加します。API キーを貼り付ける代わりにサインインし、リクエストログの読み取りだけを許可して、このシリーズの過去の記事で実行したセッションについて 3 つ質問しました。回答に含まれる数値はすべて請求記録と一致しました。
TL;DR
- Claude のカスタムコネクタから、OAuth サインインで Synthorai ゲートウェイの MCP サーバーに接続できます。API キーの貼り付けは不要です。
- リクエストログだけを許可すると、Claude に読み取り専用のツールが 4 つ提供され、
logs.readスコープを持つ有効期間 7 日のキーが発行されます。 - Claude Fable 5.1 はログについての 3 つの質問に、14 回のツール呼び出しで回答しました。数値はすべて請求記録と一致しました。
- ログ用ツールが返すのはコスト、token 数、ステータスです。prompt や応答の本文は返しません。
接続には MCP(Model Context Protocol)を使います。アシスタントにツールを提供するための標準的な仕組みで、サーバーが利用可能なツールを提示し、アシスタントがそれを呼び出します。ゲートウェイは https://synthorai.io/v1/mcp でこのサーバーを提供しています。Claude では、アカウントに追加した MCP サーバーをコネクタと呼びます。この記事でコードを書く必要はなく、インストールするものもありません。
接続を設定したのは 2026 年 10 月 10 日で、質問したのはその翌日です。ブラウザの claude.ai で、チャットモデルに Claude Fable 5.1 を使いました。Claude Desktop でも同じ手順でカスタムコネクタを追加できます。
ゲートウェイを Claude に追加するには?
名前とサーバーの URL を指定して、カスタムコネクタを追加します。Claude で「カスタマイズ」を開き、「コネクタ」から「追加」を選び、「カスタムコネクタを追加」を選択します。

「続行」を選ぶと、Claude がサーバーを確認します。続いて接続方法が表示されます。サーバーが返す情報から、次の 2 項目がすでに選択されています。
- 認証:「今すぐサインイン」。ツールを使う前に、利用者ごとにサーバーへサインインします。これは OAuth による認証です。ブラウザで接続を承認すると、サーバーが Claude にアクセストークンを渡します。API キーを入力したり、ファイルに保存したりする必要はありません。
- OAuth クライアント:「自動登録」。接続時に Claude がサーバーへ自動で登録します。クライアント ID を自分で作成する必要はありません。
両方ともそのままにして「追加」を選びます。Claude から Synthorai の接続承認ページに移動します。コネクタのページに接続が期限切れと表示された場合は、「再接続」を選びます。今回もこの操作で承認ページに進みました。
サインイン時には何を許可する?
ワークスペース、接続の用途、利用できるデータ、有効期間を選びます。このページはゲートウェイが提供します。ゲートウェイのコンソールにログインしていない場合は、先にログインを求められます。

- ワークスペース。接続から参照できるのは 1 つのワークスペースです。調べたいリクエストが保存されているものを選びます。
- この接続の用途。「モデルの実行」を選ぶと、Claude がゲートウェイ経由でモデルを呼び出せるようになり、料金はワークスペースに請求されます。この記事では「ワークスペースの読み取りと管理」を選びます。その下でチェックした項目だけが許可されます。
- Claude が利用できるデータ。利用状況と残高、リクエストログ、prompt ライブラリ、API キー(読み取り専用)、メンバーと監査ログおよび設定の 5 グループです。今回はリクエストログだけを選びました。
- アクセス権。読み取り専用です。今回のワークスペースでは、設定で MCP 経由の変更を許可していないため、ほかの選択肢は表示されません。
- アクセスの有効期間。1、7、30、90 日から選べます。今回は 7 日のままにしました。
「許可」を選ぶと、ブラウザが Claude に戻ります。コネクタが接続済みと表示され、ツールの一覧が出ます。

コネクタには search_requests、get_request、list_sessions、list_traces の 4 ツールがあり、すべて読み取り専用です。何を呼び出し、どう処理されたか(モデル、ステータス、token 数、コスト、処理時間、セッション、トレース、ラベル)を返します。prompt や応答の本文は返しません。このページではツールごとに、常に許可、実行前に確認、ブロックのいずれかを設定できます。
ゲートウェイ側では接続をどこで確認できる?
API キーの「管理用キー」タブに、接続専用のキーとして表示されます。

キーの名前は MCP: Claude です。選択した 1 つのスコープ(logs.read)だけを持ち、指定した日に期限切れになります。スコープはキーに付与される権限です。キーそのものを見たり扱ったりすることはありませんが、ここで無効化や削除ができます。Claude 側に何が保存されていても、その操作で接続は即座に使えなくなります。
何を質問し、回答は正しかったか?
このシリーズのデモが直前に送信したリクエストについて、3 つ質問しました。回答の数値はすべて、デモスクリプトが出力した請求記録と一致しました。各質問では、対象を絞るために時間範囲とラベルを指定しています。ラベルは、アプリケーションが各リクエストの X-Synthorai-Metadata ヘッダーで送るキーと値です。デモではすべてのリクエストに feature、case(再現する問題)、variant(問題のある実行は before、対応する修正後の実行は after)を付けています。回答に出てくる prompt キャッシュでは、繰り返し送信される prompt の先頭部分が割安になります。初回は書き込み、それ以降は読み取りとして課金されます。
Synthorai コネクタを使ってください。2026-10-11T11:24:00Z から 2026-10-11T11:32:00Z までの、ラベル feature = support-agent が付いたリクエストだけを調べてください。case = cache-miss、case = context-growth、case = replay-mismatch のセッションのうち、最もコストがかかったのはどれですか? token 数から、そのコストの理由を説明してください。

| 質問 | Claude の回答 | ツール呼び出し | 請求記録 |
|---|---|---|---|
cache-miss、context-growth、replay-mismatch のうち、最も高かったセッションとその理由は? | replay-mismatch-a14896679e70。6 リクエストで $0.003831。入力 24,557 token のうち、キャッシュから読み取ったものは 0。対応する修正後のセッションでは 24,702 token 中 18,844 をキャッシュから読み取り、$0.001522 | 3 × list_sessions、1 × search_requests | $0.003831、入力 24,557、キャッシュ済み 0。$0.001522、入力 24,702、キャッシュ済み 18,844 |
2 つの cache-miss セッションを修正前後で比較して | 修正前:入力 5,579 token、キャッシュ済み 0、$0.001497。修正後:5,729、キャッシュ済み 4,157(73%)、$0.001113。25.6% の削減 | 2 × list_sessions、1 × search_requests | 5,579、0、$0.001497。5,729、4,157、$0.001113 |
u_1001 のリクエストに失敗はあった? u_1002 は? | u_1001 の 11 リクエスト中 1 件が、存在しないモデルへの呼び出しで 404。1 秒後の再試行で成功。u_1002 の 10 件はすべて成功 | 7 × search_requests | 2 つの会話で 21 回の呼び出し。404 は 1 件 |
回答には、数値をそのまま読み上げるだけではない点が 3 つありました。
- 使い方を教えなくてもラベルを使った。チャット内のツール呼び出しを開くと、引数を確認できます。最初の
list_sessionsには、labelsとしてcase = cache-missとfeature = support-agent、時間範囲、上限 50 が指定されていました。各 case について 1 回ずつ呼び出しています。3 つ目の質問では、まずユーザーを格納しているフィールドを探し、_userラベルを見つけて、それで絞り込みました。 - 人が行うような比較を見つけた。最初の回答で挙げたのは、LLM エージェントのコストが高い理由 に登場する、送信時とは異なる形でメッセージを保存していたセッションです。Claude は
variant = afterラベルから対応する修正後のセッションを見つけました。両者の prompt 量がほぼ同じであることを確認し、2.5x の差はキャッシュへの書き込みと読み取りの違いによるものと説明しました。また、高かったセッションをターンごとに並べ、prompt が増えるにつれて、第 1 ターンから第 6 ターンまでにコストがおよそ倍になることを示しました。 - 数値から分かることと分からないことを区別した。2 つ目の回答では、修正後のセッションの出力が多い(1,599 token に対して 1,750 token)ため、入力だけの削減率は総額の差である 25.6% より大きいと指摘しています。最初の回答では、コネクタが prompt の内容を返さないため、キャッシュが一致しなくなった原因までは確認できないと説明しています。

最初の回答については、数値だけでなく説明も検証しました。これらのセッションで使ったモデルは GPT-6 Luna です。100 万 token あたりの料金は、入力が $0.10、キャッシュからの入力読み取りが $0.01、キャッシュへの入力書き込みが $0.125、出力が $0.50 です。この料金で計算すると、高かったセッションのキャッシュ書き込み 24,539 token、その他の入力 18 token、出力 1,523 token は $0.003831 になります。対応する修正後のセッションでは、書き込み 5,840 token、読み取り 18,844 token、その他の入力 18 token、出力 1,204 token で $0.001522 です。どちらも請求額と一致するので、書き込みと読み取りの差が原因だという説明は正しいと確認できました。
回答のどこを確認すべきか?
まずツール呼び出しの対象範囲を確認し、その後で料金や自分の設定に依存する説明を確認します。今回の 3 つの回答では数値は正確でした。ツールの結果から転記された数値が最も確実です。割合や比率はモデル自身の計算なので、再確認してください。次の 4 点には注意が必要です。
- 回答の対象範囲はツール呼び出しの範囲まで。各呼び出しには時間範囲、ラベル、件数の上限があります。チャットにはすべての呼び出しと引数が表示されるので、「最も高かったセッション」が全セッションから選ばれたのか、最初の 50 件から選ばれたのかを確認できます。
- 説明は一般知識に基づく。記録が示すのは、何が起きたかです。なぜ起きたかはモデルの推論であり、使っているモデルや料金に当てはまらない場合があります。説明を根拠に対応する前に、上の例のように 1 つの数値を再計算してください。
- 時刻は自分のタイムゾーンで表示される。ログは UTC で、質問も UTC で指定しました。回答の時刻は、Claude がこのアカウントに設定していた太平洋時間でした。質問の UTC の範囲と照合してください。
- ツールは本文を返さない。Claude は、リクエストが 404 で失敗したことや、エラーの内容を説明できます。ユーザーが何を質問したかは分かりません。本文が必要な質問には、その制約を伝えます。
ツールが返すすべての行が会話に入るため、質問でラベルと短い時間範囲を指定すると、回答の精度を保ちながら会話量も抑えられます。
費用はいくらで、安全性はどう確保する?
ログ用ツールの呼び出しは無料です。モデルの処理は Claude のプランに含まれるため、質問してもゲートウェイの請求額は増えません。ツールの結果も会話に含まれるので、長い調査ではプランの利用枠を消費します。
接続でできることは、承認した範囲に限られます。
- データは 1 グループだけ。選択したのはリクエストログだけなので、残高、prompt、キー、メンバーにアクセスするツールはありません。
- 読み取り専用。変更を行ったり、モデルを呼び出したりするツールはありません。
- 有効期限あり。キーは選択した期間が過ぎると失効します。それより前に削除することもできます。
- prompt と応答の本文は取得しない。ツールが返すのはメタデータだけです。
- Claude 側のツール権限。各ツールは実行前に確認する設定にできます。コネクタページではこれがデフォルトです。今回のチャットは Claude の Auto 権限モードで実行しました。このモードでは Claude が自動でコネクタを使い、安全でないと判断した場合だけ停止します。そのため、読み取り専用の呼び出しは確認なしで実行されました。
こうしたチャットを共有するときは注意してください。回答にはセッション ID、_user ラベルのユーザー ID、モデル名が引用されることがあります。
よくある質問
Claude は LLM のリクエストログを読める?
ログを公開する MCP サーバーにコネクタで接続すれば読めます。Synthorai ゲートウェイをカスタムコネクタとして追加し、サインイン時にリクエストログへのアクセスを許可すると、Claude はリクエストの検索、セッションとトレースの一覧取得、コスト、token 数、ステータス、ラベルの読み取りができます。ツールが本文を返さないため、prompt や応答は読めません。
Claude を MCP サーバーに接続するには API キーが必要?
サーバーが OAuth サインインに対応していれば不要です。https://synthorai.io/v1/mcp をカスタムコネクタとして追加すると、承認ページに移動します。ゲートウェイが接続専用のキーを作成し、選択したスコープだけを付与します。有効期間は 1 日から 90 日です。キーは API キーの一覧に表示され、そこで削除できます。
Claude のログ分析はどのくらい正確?
Claude Fable 5.1 を使った今回のテストでは、3 つの回答に含まれるコスト、token 数、リクエスト数、ステータスコードがすべて請求記録と一致しました。最も高かったセッションについての説明も、モデルの料金から請求額を再計算して確認できました。ただし、回答がどのツール呼び出しに基づいているかは確認してください。
ゲートウェイのログについて Claude に聞くと、いくらかかる?
ゲートウェイ側の請求は増えません。ログ用ツールは無料で、この記事の 3 つの質問では 14 回呼び出しました。モデルの処理は Claude のプランの利用枠を消費します。API 経由で質問するプログラムの場合は、代わりにそのモデルの token 料金を支払います。エージェントにログ用ツールを持たせる で、その費用を測定しています。
Claude をリクエストログに接続しても安全?
安全性は承認する権限の範囲で決まります。今回の接続では、対象データはリクエストログだけで、読み取り専用、有効期間は 7 日、prompt や応答の本文へのアクセスはありません。ワークスペースの変更やモデルの呼び出しはできず、API キーの一覧でキーを削除すれば接続は使えなくなります。
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