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GPT-5.6 プロンプトガイド:デフォルトのままだと料金が 1.5 倍、10 倍になる 2 つの設定

GPT-5.6 プロンプトガイド:デフォルトのままだと料金が 1.5 倍、10 倍になる 2 つの設定

目次
  1. GPT-5.6 のリクエストはどのような形式にすべきか
  2. reasoning_effort はどう設定すべきか
  3. キャッシュを効かせるにはプロンプトをどう配置すべきか
  4. GPT-5.5 からプロンプトを移行すると何が壊れるか
  5. どの tier でプロンプトを実行すべきか
  6. よくある質問

GPT-5.6 のプロンプト設計では、ほぼ 2 つのリクエストパラメータだけ押さえれば十分です。ただし、どちらもデフォルトは高コスト側に設定されています。50 回の呼び出しで検証したところ、reasoning_effort を省略した場合は "none" を明示した場合の 1.5 倍が課金され、回答は同一でした。安定した prefix をマークしない場合も、呼び出すたびにキャッシュ読み取り料金の 10 倍がかかります。本ガイドでは、GPT-5.6 コストガイドの計測結果をもとに、適切なリクエスト形式、タスク別の effort 設定、キャッシュを効かせるプロンプト構成、GPT-5.5 からプロンプトを移行する際の注意点をまとめます。

TL;DR

  • GPT-5.6 へのすべてのリクエストで reasoning_effort を明示してください。4 タスクの検証では、省略時の料金は "none" の 1.5 倍で、回答は同一でした。
  • 指定できる effort は none から xhigh までです。"max" は Sol と Terra のどちらでも 400 を返します。
  • 安定した prefix には明示的な cache breakpoint を設定してください。キャッシュ読み取りは入力料金の 10%、書き込みは 1.25 倍です。安定して見える部分ではなく、実際に繰り返し使う部分をマークします。
  • prompt_cache_options と breakpoint は GPT-5.5 以前では 400 を返します。バージョン判定を入れて段階的に展開してください。

GPT-5.6 のリクエストはどのような形式にすべきか

まずは次の形式を使い、不要なフィールドを削除してください。高コストなデフォルトを継承せず、2 つの設定を明示できます。

{
  "model": "gpt-5.6-terra",
  "reasoning_effort": "low",
  "prompt_cache_options": { "mode": "explicit", "ttl": "30m" },
  "prompt_cache_key": "tenant-42",
  "messages": [
    { "role": "system", "content": "…stable instructions…",
      "prompt_cache_breakpoint": { "mode": "explicit" } },
    { "role": "user", "content": "…the part that changes per request…" }
  ]
}

配置の原則は単純です。安定した内容はすべて breakpoint より前に置き、リクエストごとに変わる内容は後ろに置きます。タイムスタンプ、ユーザー名、呼び出しごとに異なる検索文書などの動的なデータは、マークしたブロックに含めません。1 byte でも変わると、そのブロック全体に 1.25 倍の書き込み料金が再び発生するためです。prompt_cache_key を使うと、同じ内容を同一キャッシュへルーティングできます。tenant または session ごとに安定した key を 1 つ使ってください。key ごとの上限は、ドキュメント上では 1 分あたり約 15 リクエストという soft limit です。

reasoning_effort はどう設定すべきか

必ず明示してください。避けるべき設定は、何も指定しないことです。計測では、reasoning_effort を省略したリクエストは "none" を明示した場合の 1.5 倍が課金され、検証したすべての回答は同一でした。指定できる値は nonelowmediumhighxhigh です。"max" は有効な範囲を示す 400 エラーになります。Luna で 1 行の数学問題を試した結果は次のとおりです。

reasoning_effort推論 token回答1 回あたりのコスト
none0正解$0.000062
low52正解$0.000410
medium85正解$0.000608
high74正解$0.000542

Token 使用量の内訳の検証で、思考を完全に無効化してもこの問題に正解したのは GPT-5.6 ファミリーだけでした。そのため、抽出、分類、整形、検索中心の呼び出しでは none をデフォルトにする合理性があります。推論を有効にした場合、その token は見えませんが、出力と同じ単価で課金されます。デフォルト設定で数学問題を解かせた例では、出力料金の 88%がユーザーから見えない chain of thought でした。デフォルトが勝手にコストをかけるからではなく、eval で必要だと確認できた場合にだけ effort を上げてください。

キャッシュを効かせるにはプロンプトをどう配置すべきか

プロンプトは安定性の高い順にレイヤー化し、各レイヤーをマークします。最初に system instruction、次に tool 定義、その後に参照文書を置き、それぞれの末尾に breakpoint を設定します。変動する user turn は最後のマークより後ろに置いてください。1 リクエストにつき cache write は 4 回までです。デフォルトの implicit mode では、最新 message に設定される自動 breakpoint がそのうち 1 回を消費します。explicit mode なら 4 回すべてを使えるうえ、マークした部分だけをキャッシュできます。

効果が大きいのは部分再利用で、実測でも確認できました。安定したブロック A と、差し替える末尾 B を使った検証では、再課金されたのは末尾だけでした。2,431 token のプロンプトのうち、1,212 token はキャッシュ料金で読み取られ、1,210 token は割増料金で新規に書き込まれました。料金表から算出した値とも一桁の誤差なく一致しています。予算を見積もる際は、次の 3 点を押さえてください。

  • 読み取り料金は入力単価の 10% です。レイヤー化した prefix がキャッシュで warm になれば、入力側の料金を抑えられます。
  • 書き込み料金は 1.25 倍 です。一度も再利用されないブロックをマークすると、キャッシュしない場合より 25%高くなります。安定して見えるものすべてではなく、実際に繰り返す部分をマークしてください。
  • 完全に同じ内容を繰り返しても、マークより手前で一致長が短くなる場合があります。ある検証では、2,422 token の書き込みに対し、キャッシュされたのは 1,897 token でした。完全一致する token 数ではなく、割引単価を基準に予算を組んでください。ファミリー別の最小 token 数はキャッシュ最小値の検証に掲載しています。

ttl: "30m" は保証される最小値であり、上限ではありません。Claude のデフォルトである 5 分の 6 倍です。現在は 24 時間 tier がないため、長期保持を前提にしていた日次 batch workload は損益分岐点を再計算してください。

GPT-5.5 からプロンプトを移行すると何が壊れるか

明示的にエラーになるものが 2 つ、気づきにくいまま挙動が変わるものが 1 つあります。まず、prompt_cache_optionsprompt_cache_breakpoint は GPT-5.5 以前で明確な 400 エラーを返します(prompt_cache_options is not supported on this model)。共通の prompt builder にはバージョン判定が必要です。また、一部の 5.5 設定で使われていた "max" effort もエラーになります。

気づきにくく、しかもコストが高いのは、5.5 では reasoning を無効にしていた workload でも、GPT-5.6 ではデフォルトで reasoning が有効になる点です。移行したプロンプトで reasoning_effort を設定しなければ、同じ料金表でも省略による 1.5 倍のコストが発生します。キャッシュ移行では逆の違いがあります。5.5 の prefix 自動検出にはマークが不要でしたが、発動を明示したり debug したりできませんでした。5.6 では、同じプロンプトをそのまま使ってもキャッシュは機能せず、マークが必要です。マーク後は、各書き込みが usage.prompt_tokens_details.cache_write_tokens に記録されます。cache miss は何も返らないのではなく、自分で追加したフィールドに 0 として現れます。

どの tier でプロンプトを実行すべきか

3 つの tier すべてで同じリクエスト形式を使えます。したがって、tier の選択はプロンプト設計ではなく価格の判断です。100 万 token あたり Sol は $5/$30、Terra はその半額、Luna は 5 分の 1 です。prefix が安定し、key が設定され、キャッシュが warm になれば、どの tier でもキャッシュ読み取りの割引により入力側の料金差が小さくなります。そのため、差が出るのは出力料金です。出力品質の eval が許す範囲で tier を下げてください。tier ごとの書き込み割増料金を含む損益分岐点の計算は、コストガイドに掲載しています。

よくある質問

GPT-5.6 は reasoning_effort: “max” に対応していますか?

いいえ。"max" を指定すると、Sol と Terra のどちらでも 400 が返り、有効な値として none から xhigh までが表示されます。最大値を使いたい workload では、xhigh を明示してください。

Cache breakpoint は GPT-5.5 でも動作しますか?

いいえ。GPT-5.5 以前では、prompt_cache_options と breakpoint marker が 400 で拒否されます。これらの model では prefix 自動検出を使うことになりますが、発動の明示、key の指定、debug はできません。キャッシュの動作は best effort と考え、新しいフィールドを出力する prompt builder にはバージョン判定を入れてください。

プロンプトでは breakpoint を実際にいくつ使うべきですか?

上限の範囲内で、実際に繰り返すレイヤーの数だけ使ってください。書き込みは 1 リクエストにつき 4 回までです。explicit mode に切り替えなければ、implicit な自動 breakpoint がそのうち 1 回を消費します。一般的なレイヤー構造のプロンプトなら、instruction、tool、reference block の 2〜3 個で足ります。5 個目の marker もエラーにはなりませんが、後ろのマークはそれより前の全内容を対象にするため、書き込み slot を共有するだけです。

本ガイドの数値はすべて、リリース初日の GPT-5.6 model を Synthorai gateway 経由で計測したものです。稼働中の usage.cost meter とも一致しています。計測方法と検証用の生データは、コストガイドキャッシュ最小値の検証に掲載しています。ご自身の usage record でも確認してください。料金と指定可能な値は変更される可能性があります。

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