GPT-4 と GPT-3.5 Turbo が 10 月 23 日に終了、3.5 の移行先は約 5 倍
目次
OpenAI は 2026-10-23 に GPT-4、GPT-4 Turbo、GPT-3.5 Turbo、GPT-4.1 nano、o1、o3-mini、o4-mini の提供を終了する。OpenAI が移行先として挙げるテキストモデルはすべて GPT-5.6 系だ。この一覧が作られたのは GPT-6 の登場より 5 か月前だった。GPT-3.5 Turbo の利用者が一覧どおりに移行すると、費用は約 5 倍になる。指定された移行先の GPT-5.6 Terra は、今回のテストでは短い呼び出し 1,000 回あたり $0.75 だった。GPT-3.5 Turbo の料金なら約 $0.15 だ。GPT-6 Luna は同じ呼び出しを $0.037 で処理し、全問正解した。
TL;DR
- OpenAI が 2026-10-23 に提供を終了するのは、GPT-4、GPT-4 Turbo、GPT-3.5 Turbo、GPT-4.1 nano、gpt-4o-2024-05-13、o1、o1-pro、o3-mini、o4-mini。
- GPT-3.5 Turbo の移行先として OpenAI が指定する GPT-5.6 Terra の定価は、100 万 token あたり入力 $2 /出力 $12。GPT-3.5 Turbo は $0.50 / $1.50。
- 移行先の候補 5 モデルはいずれも、短いタスク 96 件すべてに正解した。
- 呼び出し 1,000 回あたりの費用は、GPT-5.6 Sol が $1.41、GPT-6.1 Sol が $0.72、GPT-5.6 Terra が $0.75、GPT-5.6 Luna が $0.075、GPT-6 Luna が $0.037。
10 月 23 日に終了する OpenAI のモデルと移行先
2026-10-23 に応答を停止するテキストモデルは 9 系統。OpenAI の 廃止予定モデル一覧 では、それぞれの移行先に GPT-5.6 系モデルが指定されている。各行には、日付付き snapshot(gpt-4-0613 のような固定版)と fine-tune(追加学習したカスタム版)も含む。料金は OpenAI の 料金表 と各モデルのページに記載された、100 万 token あたりの入力/出力の定価。
| 提供終了モデル | 定価 | OpenAI 指定の移行先 | 定価 |
|---|---|---|---|
| GPT-4 | $30 / $60 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| GPT-4 Turbo | $10 / $30 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| gpt-4o-2024-05-13 | $5 / $15 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| o1 | $15 / $60 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| o1-pro | $150 / $600 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| o3-mini | $1.10 / $4.40 | GPT-5.6 Sol | $4 / $20 |
| GPT-4.1 nano | $0.10 / $0.40 | GPT-5.6 Luna | $0.20 / $1.20 |
| GPT-3.5 Turbo | $0.50 / $1.50 | GPT-5.6 Terra | $2 / $12 |
| o4-mini | $1.10 / $4.40 | GPT-5.6 Terra | $2 / $12 |
同時に gpt-image-1 も終了し、移行先は gpt-image-2.5-sunburst または gpt-image-2.5-flare となる。fine-tune 版の babbage-002 と davinci-002 も終了する。GPT-4o 本体と新しい snapshot は、この一覧には含まれない。その後の終了予定も 2 回分公表されている。tts-1 と tts-1-hd は 2027-01-06、gpt-5.1、gpt-5.3-codex、gpt-5.4-nano は 2027-04-01 だ。
OpenAI が今回の終了を発表したのは 2026-04-22。GPT-6 の公開は 2026-09-22 だったため、発表時の移行先一覧には載っていない。9 件のうち、定価が上がる移行は o3-mini、GPT-4.1 nano、GPT-3.5 Turbo、o4-mini の 4 件。
OpenAI 指定の移行先が最安なのか
どの行でも、OpenAI が指定する移行先は最安ではない。GPT-6 世代の定価は GPT-5.6 の約半分だが、一覧に載っていないためだ。Sol、Terra、Luna はそれぞれ大・中・小の tier。cached input は、OpenAI の prompt cache から提供される prompt 部分に適用される料金を指す。
| 入力 | cached input | 出力 | |
|---|---|---|---|
| GPT-5.6 Sol | $4.00 | $0.40 | $20.00 |
| GPT-6.1 Sol | $2.00 | $0.10 | $10.00 |
| GPT-5.6 Terra | $2.00 | $0.20 | $12.00 |
| GPT-5.6 Luna | $0.20 | $0.02 | $1.20 |
| GPT-6 Luna | $0.10 | $0.01 | $0.50 |
GPT-5.6 Sol の $4 / $20 は、OpenAI によると少なくとも 2026-11-21 まで適用されるプロモーション価格だ。GPT-6 に Terra tier はない。GPT-5.6 Terra より安い選択肢は上下の tier にある。上位の GPT-6.1 Sol は入力料金が同じで出力料金が安く、GPT-6 Luna の料金は GPT-5.6 Terra の 20 分の 1 だ。
テスト方法
料金表で分かるのは token 単価だけだ。移行時には、安いモデルでも必要な処理ができるか、推論モデルが追加の token を消費するかも確認する必要がある。候補の 5 モデルはすべて推論モデルだ。reasoning.effort は、回答前にモデルが行う非表示の推論量を指定する Responses API のパラメータ。この推論は出力として課金される。指定しなければモデルのデフォルトが使われる(GPT-6.1 Sol と GPT-6 Luna では medium)。none にすると推論を無効にできる。
GPT-3.5 Turbo や GPT-4.1 nano で使われるような短いタスクを 96 件用意し、正解をコードで判定した。各タスクの正解は 1 つ。
- 分類:サポートへの問い合わせ 40 件を 8 種類のラベルに分類。2 つのラベルに該当する場合のルールも設定した。
- 抽出:注文メール 30 件を 6 フィールドの JSON object に変換。過去の注文 ID や小計など、紛らわしい情報も含めた。
- ツール呼び出し:サポートへの依頼 26 件を、5 つのツールから選んだ 1 回の関数呼び出しに変換。引数も正しく指定する必要がある。
このほかに、ツール呼び出しの依頼 4 件は採点から除いた。変更内容より先に質問が来る文面(「注文 A-88643 はまだ発送されていませんよね。新しい配送先は Graz です」)で、56 件の応答のうち 18 件が住所を変更する前に注文状況を照会した。内訳は GPT-6 Luna が 12 件中 9 件、GPT-5.6 Luna が 12 件中 4 件、GPT-5.6 Terra が 12 件中 3 件、Sol の 2 モデルが各 1 件。どちらの解釈も成り立つため、この 4 件はモデルよりも文面を試していることになる。
各モデルを推論オフ、low、デフォルトで実行した(GPT-6.1 Sol は none を受け付けないため、low とデフォルトのみ)。合計 1,344 回の呼び出しそれぞれに固有のランダム文字列を付け、cache が使われないようにした。費用は OpenAI の定価で計算した。終了予定モデルは呼び出せないため、費用は推定値だ。今回計測した呼び出し 1 回あたりの token 数(入力 234、出力 24)に、各モデルの定価を適用した。テキストを token に分割する tokenizer は世代によって異なるため、推定値は概算として見てほしい。
移行先ごとの呼び出し 1,000 回あたりの費用
短いタスクでは正答率に差が出ず、選択基準は費用になる。5 モデルすべてが、どの設定でも 96 件中 96 件に正解した。表は推論オフの場合の呼び出し 1,000 回あたりの費用を示す。GPT-6.1 Sol だけは low を使った。
| 現在のモデル | 現在の推定費用 | OpenAI 指定の移行先 | GPT-6 系の選択肢 |
|---|---|---|---|
| GPT-4 | $8.48 | GPT-5.6 Sol、$1.41 | GPT-6.1 Sol、$0.72 |
| GPT-4 Turbo | $3.07 | GPT-5.6 Sol、$1.41 | GPT-6.1 Sol、$0.72 |
| gpt-4o-2024-05-13 | $1.53 | GPT-5.6 Sol、$1.41 | GPT-6.1 Sol、$0.72 |
| GPT-3.5 Turbo | $0.15 | GPT-5.6 Terra、$0.75 | GPT-6 Luna、$0.037 |
| GPT-4.1 nano | $0.033 | GPT-5.6 Luna、$0.075 | GPT-6 Luna、$0.037 |
GPT-4 と GPT-4 Turbo なら、どちらへ移行しても安くなる。gpt-4o-2024-05-13 から GPT-5.6 Sol への移行では費用はほぼ同じで、GPT-6.1 Sol なら半分になる。GPT-3.5 Turbo から OpenAI 指定の移行先へ移ると 4.9 倍かかるが、GPT-6 Luna なら 4 分の 1 だ。GPT-4.1 nano から指定の移行先へ移ると 2.3 倍かかり、GPT-6 Luna ならほぼ同額になる。
o 系モデルはこの表に含めていない。o1、o3-mini、o4-mini が消費する推論 token は計測できないため、適用できるのは最初の表にある定価のみ。推論を伴うワークロードについては、GPT-6.1 Sol の計測結果 に各 effort 設定での 13 タスクの結果を載せている。
デフォルトの推論設定で費用は増えるか
デフォルトの effort にすると、Sol 系では費用が少し増え、安いモデルでは増加幅が大きくなる。reasoning.effort をデフォルトのままにした場合、今回の呼び出しの費用は GPT-5.6 Sol と GPT-6.1 Sol で 5%、GPT-5.6 Terra で 22%、GPT-6 Luna で 34%、GPT-5.6 Luna で 42% 増えた。正答率は変わらなかった。推論 token は呼び出し 1 回あたり最大 25 と少ない。ただし、回答自体が 24 token しかない呼び出しでは、出力が倍になる。
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
resp = client.responses.create(
model="gpt-6-luna",
reasoning={"effort": "none"}, # no hidden reasoning; use "low" on gpt-6.1-sol
max_output_tokens=64,
input="Classify the customer message into exactly one label: ...",
)
print(resp.output_text)
print(resp.usage.output_tokens, resp.usage.output_tokens_details.reasoning_tokens)
GPT-3.5 Turbo 向けの分類コードでよく使われる小さな出力上限でも、今回のテストでは問題は起きなかった。max_output_tokens を 64 にした 200 回の呼び出しは、デフォルトの effort でもすべてラベルを返した。ただし、推論量が多いタスクでは、回答を書き始める前に小さな上限を使い切る可能性がある。実際の呼び出しで output_tokens_details.reasoning_tokens を確認してほしい。
レイテンシは 5 モデル中 4 モデルでほぼ同じで、呼び出し 1 回あたりの中央値は 2.2-2.4 秒だった。GPT-6.1 Sol は 2.9-3.2 秒かかった。
OpenAI の 移行ガイド には、リクエストで必要な変更が載っている。effort が none でない場合は temperature、top_p、top_logprobs を削除する必要がある。GPT-6.1 Sol は none を受け付けず、推論を伴うツール呼び出しには Responses API が必要だ。
どの移行先を選ぶべきか
終了するモデルの用途に合わせて選び、OpenAI が指定するモデルも複数ある選択肢の 1 つとして扱う。
| 現在のモデル・用途 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| GPT-3.5 Turbo で分類、抽出、ルーティング | GPT-6 Luna に reasoning.effort: "none" を指定 | 1,000 回あたり $0.037。GPT-5.6 Terra は $0.75。どちらも 96 件中 96 件に正解 |
| GPT-4.1 nano | GPT-6 Luna で effort を none にする | 現在の $0.033 に対して $0.037。GPT-5.6 Luna は $0.075 |
| GPT-4、GPT-4 Turbo、gpt-4o-2024-05-13 で短いタスク | GPT-6.1 Sol を low で使う。手元のデータでテストして問題なければ GPT-6 Luna も選択肢 | $0.72。プロモーション価格の GPT-5.6 Sol は $1.41 |
| GPT-4 で長い文書を処理 | GPT-6.1 Sol | 文書テスト では GPT-5.6 Sol と同程度の長さを出力し、文書あたりの費用は 59% 低かった。GPT-6 Luna の出力は約半分。ただし、prompt で必要な項目を指定すれば別 |
| 各呼び出しの速さが必要な用途 | GPT-6 Luna または GPT-5.6 Sol | 今回最も遅かった GPT-6.1 Sol は 2.9-3.2 秒。他のモデルは 2.2-2.4 秒 |
| o1、o3-mini、o4-mini | GPT-6.1 Sol を medium 以上で使う | 定価の $2 / $10 は、指定された 2 つの移行先($4 / $20 と $2 / $12)より安い。ただし、o3-mini と o4-mini の $1.10 / $4.40 よりは高い。推論費用はタスク次第なので、実際のタスクで計測する |
fine-tune したモデルは、モデル名の変更だけでは移行できない。OpenAI はそれぞれの移行先となるベースモデルを示しているが、fine-tune を作り直すか、prompt に置き換える必要がある。今回はテストしていない。
今回のタスクは短く、正解が 1 つに決まるものだ。切り替える前に、実際の prompt を候補モデルで実行して出力を比較してほしい。今回の 96 件で正解した安い tier でも、手元のタスクでは結果が異なる可能性がある。
よくある質問
API で GPT-4 が終了するのはいつ?
GPT-4、GPT-4 Turbo、gpt-4o-2024-05-13 の snapshot は、GPT-3.5 Turbo、GPT-4.1 nano、o1、o1-pro、o3-mini、o4-mini とともに、2026-10-23 に OpenAI API での提供を終了する。OpenAI が日付を発表したのは 2026-04-22。
GPT-3.5 Turbo の移行先は?
OpenAI が指定する移行先は GPT-5.6 Terra で、100 万 token あたり $2 / $12。GPT-3.5 Turbo は $0.50 / $1.50 だ。今回のテストでは、$0.10 / $0.50 の GPT-6 Luna も同じ 96 件の短いタスクにすべて正解し、費用は GPT-5.6 Terra の 20 分の 1 だった。
GPT-6 Luna は GPT-3.5 Turbo より安い?
GPT-6 Luna の定価は、100 万 token あたり入力 $0.10、出力 $0.50。GPT-3.5 Turbo の入力 $0.50、出力 $1.50 と比べて、それぞれ 5 分の 1 と 3 分の 1 だ。推論オフで短い呼び出しを 1,000 回実行した費用は、今回のテストでは $0.037。GPT-3.5 Turbo の料金なら約 $0.15 となる。
関連する計測結果:GPT-6.1 Sol と Claude Sonnet 5.5 の比較、GPT-6 Luna と GPT-5.6 Luna の比較、GPT-5.6 の費用を抑える方法。