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GLM 5.3 API コスト:常時思考、回答単価は 5.2 の 2.5 分の 1

目次
  1. GLM 5.3 とは何か、料金はいくらか
  2. 思考はまだ無効化できるか
  3. 正解を出せる effort 設定はどれか
  4. 答えのない質問で事実を捏造するか
  5. GLM 5.3 は JSON schema に従うか
  6. GLM 5.3 Flash の画像コストはいくらか
  7. GLM 5.2 からほかに何が変わったか
  8. Synthorai での扱い
  9. FAQ

GLM 5.3 の料金は GLM 5.2 と同じで、入力 100 万 token あたり $1.40、出力 100 万 token あたり $4.40 です。ただし、思考は無効化できなくなりました。どの方法で無効化しても 400 エラーになり、デフォルトの effort は max です。正解を検証できる 11 タスクを各 3 回実行したところ、全 33 回に正解したのは max だけでした。正解 1 件あたりのコストは $0.00468 です。GLM 5.3 の推論量は約半分なので、max の GLM 5.2 と比べて 2.5 分の 1 になりました。low は正解 1 件あたりのコストを 63% 抑えられますが、33 回中 5 回失敗します。GLM 5.3 Flash は 10 分の 1 の価格で 33 回中 31 回正解しました。reasoning_effort は回答前にモデルが考える時間を指定するパラメータですが、今ではコストだけでなく精度も左右します。今回は 2 つの build を GLM 5.2 および DeepSeek V4.1 Flash と同じ batch で測定しました。

TL;DR

  • GLM 5.3 と GLM 5.3 Flash は thinking: disabledreasoning_effort: nonemedium を指定するとエラー 1210 を返します。使えるのは lowhighmax のみで、デフォルトは max です。
  • max の GLM 5.3 は 33 回中 33 回正解し、正解 1 件あたり $0.00468 でした。max の GLM 5.2 は $0.01173 です。
  • low では、GLM 5.3 が 33 回中 28 回、GLM 5.3 Flash が 33 回中 24 回正解しました。
  • GLM 5.3 の両 build は厳密な json_schema を無視します。json_object では 8 回中 8 回、正しい値が返りました。

GLM 5.3 とは何か、料金はいくらか

同じ価格の GLM 5.2 を再学習したモデルと、その 10 分の 1 の価格で使える小型モデルです。Z.ai の ガイドによると、GLM 5.3 は「GLM-5.2 と同じ base model を使用し、すべての改善を post-training で実現」しており、入力は text のみです。GLM 5.3 Flash は「総 parameter 数 320B、うち 18B を有効化」しています。各 token の処理に使うのは 18B だけなので、低価格で提供できます。画像、動画、ファイルにも対応します。どちらも context は 1M token、最大出力は 128K です。Z.ai の 料金ページに記載された 100 万 token あたりの価格は次のとおりです。

モデル入力cache 済み入力出力
GLM 5.3$1.40$0.26$4.40
GLM 5.3 Flash$0.15$0.03$0.50
GLM 5.2$1.40$0.26$4.40
DeepSeek V4.1 Flash$0.30 peak$0.006 peak$1.20 peak

Z.ai の model cardFlash ガイドでは、agent と coding タスクの性能向上が示されています。

Benchmark評価内容GLM 5.2GLM 5.3GLM 5.3 Flash
Terminal Bench 3.0terminal 上の agent タスク4.628.3記載なし
DeepSWE v1.1実在する repository の修正46.266.963.4
AutomationBenchworkflow automation26.248.248.8
CyberGymsecurity vulnerability タスク77.284.5記載なし
HLE with toolstool を使用できる難問54.762.5記載なし

ここからは、こちらで検証できた結果を示します。agent benchmark ではなく、正解を 1 つに特定できるタスクを使いました。

思考はまだ無効化できるか

できません。GLM 5.2 は thinking: {"type": "disabled"} を受け付けました。GLM 5.3GLM 5.3 Flash では、thinking: disabledenable_thinking: false、または reasoning_effortnoneminimalmediumxhigh を指定すると、error code 1210 の HTTP 400 が返ります。内容は「このモデルは常に思考するため、思考の無効化には対応していない。low、high、max のいずれかを使用すること」です。reasoning_effort を省略すると max になります。一部の provider が対応している思考 token の上限 thinking_budget は、GLM 5.3 では受理されますが無視されます。同じ質問に 0 から 1,024 までの値を指定しても、いずれも約 101 reasoning token が生成されました。

resp = client.chat.completions.create(
    model="glm-5.3",
    messages=[{"role": "user", "content": prompt}],
    reasoning_effort="high",   # "low" | "high" | "max"; omitted means "max"
    max_tokens=8192,           # GLM 5.3 Flash rejects anything above 131,072
)
reasoning_tokens = resp.usage.completion_tokens_details.reasoning_tokens  # billed as output
thinking_text = resp.choices[0].message.reasoning_content                # the thinking itself, as text

以前の低コストな方法も、性能は十分ではありませんでした。思考を無効にすると、GLM 5.2 は 33 タスク中 10 タスク、DeepSeek V4.1 Flash は 22 タスクしか正解しませんでした。

正解を出せる effort 設定はどれか

GLM 5.3 では max だけです。GLM 5.3 Flash では、すべて正解できる設定はありませんでした。正解が検証可能な単一の数値になる 11 タスクを、それぞれ 3 回実行しました。素数の合計、数字の出現回数、grid 上の経路数、硬貨の組み合わせ、規則の 40 回適用、7 の 222 乗を 1000 で割った余り、基数変換、knapsack、3 つの制約を満たす 4 桁の数の個数を含みます。reasoning token は回答前に生成される非表示の思考で、出力として課金されます。正解 1 件あたりのコストは、list price での総費用を正解数で割った値です。

モデルEffort正解Reasoning token、中央値(最大値)正解 1 件あたりのコスト
GLM 5.3low28/33143 (1,826)$0.00173
GLM 5.3high29/33226 (1,950)$0.00197
GLM 5.3max(デフォルト)33/33538 (7,733)$0.00468
GLM 5.3 Flashlow24/33120 (467)$0.00012
GLM 5.3 Flashhigh29/33196 (1,582)$0.00021
GLM 5.3 Flashmax(デフォルト)31/33419 (5,024)$0.00040
GLM 5.2max33/331,129 (21,917)$0.01173
DeepSeek V4.1 Flashlow33/33337 (6,797)$0.00102
DeepSeek V4.1 Flashmax33/33386 (10,769)$0.00138

GLM 5.3、GLM 5.3 Flash、GLM 5.2、DeepSeek V4.1 Flash について、effort が low、high、max の場合の正解 1 件あたりのコストを比較した棒グラフ。33 回中の正解数も併記。GLM 5.3 が 33 回中 33 回正解するのは max のみで、コストは $0.00468。max の GLM 5.2 は $0.01173。GLM 5.3 Flash は最安だが、最高でも 33 回中 31 回

GLM 5.2 と比べて 2.5 分の 1 になった理由は、reasoning token の量です。中央値は 1,129 に対して 538、最長の実行では 21,917 に対して 7,733 でした。低い設定は確認処理を省くことでコストを抑えています。low の GLM 5.3 は、grid 上の経路数に 2 回とも 216 と回答しましたが、正解は 132 です。block された cell が 1 つあるためです。硬貨の組み合わせ、knapsack、基数変換でも、それぞれ 1 回失敗しました。low の GLM 5.3 Flash は、40 段階の規則と制約付きの個数計算に毎回失敗しました。一方、DeepSeek V4.1 Flash はすべての設定で 33 回中 33 回正解しました。

GLM 5.3 で算術や複数 step の処理を行う場合は、デフォルトのまま使うのが安全です。low は、誤答を低コストで検出できる用途に限って使ってください。max の GLM 5.3 は、正解 1 件あたりで DeepSeek V4.1 Flash の 3.4 倍かかります。GLM 5.3 Flash はその 3 分の 1 未満ですが、33 回中 2 回失敗しました。

答えのない質問で事実を捏造するか

しません。思考が常に有効でも結果は同じでした。架空の存在について 5 つ質問したため、正解は「分からない」だけです。Verantis Dynamics の株価、Oridium-7 の融点、1987 Pan-Continental Robotics Prize の受賞者などを質問しました。effort はデフォルト、token 上限は 16,384 です。

モデル回答を拒否回答を捏造上限到達、回答は空Reasoning token質問 1 件あたりのコスト
GLM 5.35/50/50/5230 から 542$0.0022
GLM 5.3 Flash5/50/50/5238 から 625$0.0003
GLM 5.25/50/50/5134 から 1,559$0.0035
DeepSeek V4.1 Flash1/53/51/57,021 から 16,384$0.0139

GLM 5.3 の両 build は、数百 reasoning token の後に情報がないと回答しました。DeepSeek V4.1 Flash は 7,000 から 16,000 token 考えた後、通常は内容を捏造しました。たとえばAndrew Martin, the robot protagonist of Isaac Asimov's The Bicentennial Man, wonと回答しています。前日に行った 同モデルの検証では、上限に達する実行がもっと多かったものの、回答を拒否することはほとんどありませんでした。正当に結果が空になり得る lookup では、これが 2 つの flash 系モデルで測定した最大の違いです。

GLM 5.3 は JSON schema に従うか

厳密な schema には従いません。json_object を使ってください。請求書抽出用の厳密な json_schemaresponse_format に指定すると、GLM 5.3GLM 5.3 Flash は HTTP 200 を返しましたが、16 回中 16 回で schema を無視しました。JSON は markdown code fence で囲まれ、schema にない key(invoice_datereference)も含まれていたため、要求した object として parse できたものはありません。Z.ai の API リファレンスに記載されているのは textjson_object だけです。schema を指定してもエラーにならず、そのまま受理される点に注意が必要です。

{"type": "json_object"} を指定し、field 名を prompt に書いた場合は、両 build とも 8 回中 8 回すべての値を正しく返しました。GLM 5.2DeepSeek V4.1 Flash も同じ結果です。思考は有効なままなので、抽出処理で使う出力 token の中央値は GLM 5.3 が 240、Flash が 140 でした。思考を無効にした V4.1 Flash は 25 です。結果は自分で schema に照らして validate してください。

GLM 5.3 Flash の画像コストはいくらか

pixel 面積に応じて増え、2048x2048 でも上限に達しません。そのため rate は低くても、大きな画像では DeepSeek V4.1 Flash より高くなります。生成した PNG を GLM 5.3 Flash に送り、text のみの prompt に使われた分を差し引きました。GLM 5.3 は text のみに対応しています。

画像GLM 5.3 Flash の token 数$0.15/M でのコストDeepSeek V4.1 Flash の token 数$0.30/M でのコスト
512x512363$0.000054184$0.000055
1024x10241,371$0.000206652$0.000196
2048x20485,478$0.000822994$0.000298

正方形画像のサイズと画像入力 token 数の関係を示す折れ線グラフ。GLM 5.3 Flash は pixel 面積に応じて増加し、2048x2048 で 5,478 token。DeepSeek V4.1 Flash は 512x512 までは 184 で一定し、最大 994

512 pixel を超えると、GLM 5.3 Flash は約 766 pixel あたり 1 token を使います。detail、画像の内容、file format は token 数に影響しませんでした。DeepSeek V4.1 Flash の数値は、前日に行った検証結果です。screenshot や文書 page は送信前に縮小してください。2048x2048 では、GLM 5.3 Flash の画像 1 枚あたりのコストが 2.8 倍になります。

GLM 5.2 からほかに何が変わったか

速度が向上し、周辺の仕組みはほとんど変わっていません。同じ時間帯に low で streaming したところ、1 秒あたりの出力 token 数は GLM 5.3 が 59 から 64、GLM 5.3 Flash が 70 から 82、GLM 5.2 が 51 から 55、DeepSeek V4.1 Flash が 124 から 161 でした。2 turn の function calling loop では、すべてのモデルが各 turn で 1 回 call しました。3 つの GLM build は、英語、中国語、Python text に対して同じ token 数を数えます。それぞれ 737、484、488 なので、token budget はそのまま移行できます。

prompt の先頭部分を繰り返すと cache rate で課金され、64 token 単位で計上されます。1,153 token の prompt では、1,024 token が cache から読み込まれました。Flash の model card には 300,000 token とありますが、両 build とも 1M token の上限に近い prompt を受け付けます。先頭付近に値を 1 つ隠した 990,000 token の prompt では、その値が返りました(末尾付近の内容の想起は検証していません)。約 1.07M token の prompt では途中で切り捨てられず、Prompt exceeds max length という 400 が返りました。upgrade 時に問題になる変更が 1 つあります。GLM 5.3 Flash は 131,072 を超える max_tokens を拒否します。

Synthorai での扱い

GLM 5.3GLM 5.3 FlashGLM 5.2 は gateway 上でそれぞれ glm-5.3glm-5.3-flashglm-5.2 として提供しています。料金は Z.ai の list price と同じで、/v1/chat/completions/v1/responses から利用できます。1210 エラーは変更せずに返します。そのため、GLM 5.2 向けの思考無効化設定を送り続けている client は、暗黙に max で思考するのではなく、明示的に失敗します。思考 text は reasoning_content に入り、画像は image_url の content part として GLM 5.3 Flash に送ります。

FAQ

GLM 5.3 で思考を無効化できるか

できません。GLM 5.3GLM 5.3 Flash は、どの無効化設定でも error 1210 の 400 を返します。受け付けるのは lowhighmax だけで、デフォルトは max です。今回のテストでは、low は正解 1 件あたりのコストを 63% 抑えられましたが、正解数は 33 回中 33 回ではなく 28 回でした。

GLM 5.3 は GLM 5.2 より安いか

token 単価は同じです。どちらも入力が $1.40、出力が $4.40 です。正解 1 件あたりでは安くなります。maxGLM 5.3 は $0.00468、GLM 5.2 は $0.01173 でした。推論量が約半分だからです。

GLM 5.3 Flash で GLM 5.3 を置き換えられるか

たまに数値を間違えても後段で検出できる用途なら、10 分の 1 の価格で置き換えられます。maxGLM 5.3 Flash は、正解 1 件あたり $0.00040 で 33 回中 31 回正解しました。GLM 5.3 は $0.00468 で 33 回中 33 回です。複数 step の算術処理では、low の Flash を避けてください。正解は 33 回中 24 回でした。

関連記事:GLM 5.2 の reasoning effortGLM 5.2 の tool callDeepSeek V4.1 Flash のコストLLM の思考制御LLM の構造化出力

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